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時期を逸してしまったが、
先月NHK-BSで「少女たちの日記帳」を再放送していた。

広島県立広島第一高等女学校に通う生徒さん達の、
日記に基づいた再現ドラマだ。

彼女ら建物疎開作業に参加していた者は、
教職員含め原爆投下によりほぼ全滅してしまった。

「明日も頑張ろう」と日記に綴る彼女達に、
その「明日」は訪れなかった。

それを知って見ているのだから、
またしてもたまらない思いだった。

当時の、今でいう小学校高学年から中学1~2年位の子供達だが、
とてもしっかりした考えを持ち、整然とした文章を書いていた。


戦争下の子供達…。


この生徒さん達とうちの父親はあまりかわらない年齢だが、
正直、父に彼女らのようなクレバーはない(^_^;

今でこそ飄々としたおやっさんだが、
当時はものすごいガキ大将だったらしい。


田舎であるため、
都会から疎開してくる人々を迎え入れるような土地で育った。

ものすごく大きな農園のお嬢様が疎開して来て、
別荘からピアノの音色が聞こえてくるのを
もの珍しく聴きに行ったりしていたそうな。

また、夜中にスイカ泥棒を捕まえに行ったり、
食用にすずめを捕まえに行ったり。

非番の兵隊さんが家に遊びに来るので、
地元の若い娘さんがいる家を教えてあげてお菓子をもらったり。
結構、軍事教育な時代でも俗っぽいんだな。

おもちゃも娯楽もないが、
唯一「のらくろ上等兵」というマンガはあったそうで、
何度も読んだそうだ。

鬼畜米英!と叫ぶ精神は全くなく、
なぜか学校に残ってあった敵国本の
「トムソーヤの冒険」を夢中になって読んでいた。


何とものん気なようだが、
当時飛行場にほど近いに場所に住んでいたため、
空襲にはかなり遭ったそうな。

学校に行ってもしょっ中空襲警報が鳴り、
戦争末期には授業にならなかったそうな。

空襲警報が鳴ると直ちに学校の裏山の防空壕へ逃げやり過ごした。
授業中だと中断するので嬉しかったらしい。

爆弾が近くに落ちると山全体が揺れ、
2階建てだった防空壕の階段から背中から落ち、
しばらく息が出来ず、気絶したこともあったそうだ。

食べるものはなく、校庭はカボチャやイモ畑になり、
一生分は食べたそうだ。
そのせいか父は今もカボチャが嫌いである。


学校には、「ほうあんでん」というものがあり、
朝登校したら、まずそこへ行って敬礼する決まりがあったそうだ。

私も耳で聞いた記憶なので漢字がわからなかったが、
あらためて調べたら「ほうあんでん」は「奉安殿」と書き、
御真影が飾られた神聖な場所だったらしい。
毎日敬礼なんて…末恐ろしい教育だったんだなあ。

終戦直前は、飛んできた米軍機から大量のビラがまかれた。
「毒がついとるけん触ったらいかん!」と言われていたので、
火箸ではさんで読んでみると、
「日本良い国花の国、7月8月灰の国」と書かれていたそうだ。

不発弾で遊んでいた子供が、爆発で吹き飛ばされたり、
近所のおじさんの小屋が、おじさんもろとも直撃されたり、
松山空襲の後、死んだ家畜の片付けに借り出されたりと、
子供なりに悲惨な体験もしているが、
おもしろおかしくしゃべるもんだから、あまり悲壮感がない。

仕方ないおやっさんだ。


広島に原爆が落ちた日、
いつものように防空壕にいると、
兵隊さんが「広島に大型爆弾が落ちて全滅した」と
知らせにきたそうだ。

急いで山の上に登り広島方面を見ると、
松山はとてもよく晴れているのに、広島方面は
暗く曇っているのが見えたそうだ。

そして8月15日。
また例によって防空壕にいると、
兵隊さんが「よーい日本は戦争に負けたぞー出てこいよー」と
知らせに来たそうな。

玉音放送を聞こうにもラジオそのものがなかったので、
事情を知らない年寄りなどは「カミカゼの日本が負けるわけない」と
兵隊に詰め寄っていたそうだ。

父は、(やれやれ夏場のくそ暑い防空壕で寝ることがなくなった)
とホッとしたそうな。


それからの父は、進駐軍のジープに群がる典型的な子供。
英語教育は受けていないが、
「ギブミーチョコレート」と
「ギブミーシガレット」だけは今でもしゃべれる(^_^;

悲惨なようで明るい父の少年時代。

この夏、姫太郎ら孫にしきりに子供時代の話をしていた。
父なりに何か伝え残そうと思っていたのかわからないが、
やはりしんみりする話ではなく、まるで武勇伝のように語っていた。


…ったく仕方ないおやっさんである。


でも、明るく悲しい父の子供時代の話も貴重な戦争体験。
私も明るく悲しくしっかり受け継いでいかねばの~~~。

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