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◆わらぐつの中の神様◆


とある雪国、しんしんと雪が降る夜のこと。
少女とおばあちゃんが、コタツにあたりながら静かに本を読んでいた。
ふと、少女が思い出す。
昼間スキーで遊んでびしょ濡れになったスキー靴を乾かすことを忘れていたのだ。
慌てて靴を乾かす始末をしていると、おばあちゃんからわらぐつで学校に行きなさいとすすめられる。

少女「やだー。みっともない。わらぐつなんて誰も履いてないし、第一スキーの金具にはまらないよ」
おばあちゃん「わらぐつはあったかいし丈夫だよ。それに神様がいるんだよ」
「神様?!」

少女は、洗い物を終えたお母さんとともに、コタツの中でおばあちゃんからある昔話を聞くのだった。


・・・昔、おミツさんという娘さんがいた。
きょうだいが多く、貧しい暮らしのため、両親を助けてまちに野菜を売りに行っていた。

ある日、おミツさんはまちできれいな雪下駄を見つけ、どうしても欲しくなる。
しかし、おミツさんちは貧しく、とても雪下駄を買うお金などない。
父親はスグ却下、母親は、普段ものねだりをしたことがなく娘らしい身支度などできないおミツの頼みをきいてやりたいが、貧しさと下のきょうだい達の手前かなえてやれない。

おミツさんは、雪下駄を買うためにわらぐつを作って売ろうと考える。
そして父親の見よう見真似でわらぐつを作り、野菜とともに並べた。
が、少し不格好なわらぐつはさっぱり売れない。

諦めかけていた頃、あるひとりの若い大工さんが買っていってくれた。
嬉しくなったおミツさんは、また一生懸命わらぐつを作って売る。
すると、またあの大工さんが買ってくれた。
次も、また次も同じ大工さんが買っていってくれ、次第におミツさんはその大工さんに会うのが楽しみとなっていった。

しかし、おミツさんは心配になった。
沢山わらぐつを買うのは、あまりにも不格好なのですぐに壊れるのじゃないかと。
ある日、大工さんがまたわらぐつを買ってくれた時、おミツさんは思い切って尋ねてみた。
わらぐつを何足も買ってくれるが、すぐに壊れたのではないかと。
すると大工さんは、丈夫で重宝しているので、まわりの人の分も買っているのだと答えた。

少し不格好だが一生懸命作っているものだとわかると。
自分は大工だからわらぐつのことはわからないが、使う人の身になって心をこめて一生懸命作っているものには神様がいると思う、というようなことを話す。
おミツさんは大工さんの言葉に共感してこっくりこっくり頷きながら聞いていた。

すると大工さんは急にしゃがみこみ、おミツさんの顔をまじまじと見ながらに言った。
「なあお前さん、おれと一緒になってくんねえかな」
おミツさんの頬は、夕焼けのようにみるみるうちに真っ赤になっていったのでありましたとさ・・・。


…再び現在。
少女は、おばあちゃんに聞いた。
「そのおミツさんは幸せになったの?」
おばあちゃん「ああ神様とまではいかないけど、大事にしてもらって幸せに暮らしているよ」
少女「暮らしているって今も生きてるの?」
おばあちゃんもお母さんもニコニコ。

お母さん「おばあちゃんの名前は?」
少女「山田ミツ…あっ!おばあちゃん?!」

おばあちゃんは、お嫁にくる時おじいちゃんが買ってくれたあの時の雪下駄を少女に見せた。
箱に入った雪下駄は、少しかびくさいもののまだまだ新品だった。
おばあちゃんは嬉しくて嬉しくて…でも、もったいなくて結局履かず仕舞いだったと言う。
感慨深げな少女…。

すると玄関のほうでおじいちゃんが帰ってきた物音が。
「あっおじいちゃんだ!おかえんなさい!」
少女は元気よく出迎えに行くのであった。
おしまい。



いや~うろ覚えながら思い出しつつ書いて我ながら感動しちった。
カッコイイじいちゃんだな~。
また小学校の教科書が読みたくなっちゃったなあ。

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